アレルギー性鼻炎の
レーザー治療について

原理

 アレルギー性鼻炎の三大症状であるくしゃみ、鼻みず、鼻づまりのうちくしゃみ、鼻みずは鼻の中の鼻粘膜で起こるアレルギー反応によって起きます。
また、鼻づまりはアレルギー反応の結果、粘膜に腫れが生ずることで起きます。

 鼻の中の粘膜(鼻粘膜)のうち最も面積の大きな下鼻甲介にレーザーを当てて粘膜を縮小・変化させます。
粘膜の縮小により鼻の中の隙間が増えますので鼻づまりが改善されます。
同時にくしゃみを起したり鼻みずを産生する場である鼻粘膜の縮小・変化によりくしゃみ、鼻水の減少、改善が期待できます。

手術の準備

 特別なことはしませんが、やはりまずは鼻の中の観察を入念に行います。
内視鏡、場合によっては鼻のレントゲン撮影により、鼻の中の構造、特に鼻中隔の弯曲などの有無、他に鼻の病気がないかなども調べます。
また、鼻以外にも何か病気があり治療薬を服用しているかどうかなどお聞きします。

実際

 まず鼻の中に粘膜を収縮させる薬と麻酔薬(キシロカイン)を噴霧します。
その後、麻酔薬と血管収縮剤(ボスミン)を浸したガーゼを鼻の中にいれ10分ほど待ちます。
この表面麻酔により、レーザー照射中に痛みはほとんど感じないと思います。

 診察用のいすに座りレーザー光線防御用のめがねをかけてもらいます。
姿勢は鼻の治療を受けるときと同じです。
片側約5分位かけてレーザーを照射します。
照射中会話は普通にできます。
こちらから痛みがあるかなど話しかけながら行いますので何かあれば遠慮なくお話し下さい。
出血などもほとんどないので治療後は特に鼻の中にガーゼなどのつめものは入れません。
10分ほど様子みてお帰りいただきます。

レーザー治療後の注意点について

 日常生活の制限はありませんが、念のために治療当日はシャワーくらいにして下さい。
刺激の強い食品の摂取はやめて下さい。お酒、タバコも2、3日は控えて下さい。
運動については過激なものでなければ結構です。
ただし水泳は3日間くらい控えた方がよいでしょう。
当日軽度ですが痛みを感じる人がありますので、念のために抗生剤、消炎鎮痛剤また抗アレルギー剤を処方することもあります。

レーザー手術後の鼻の様子

 治療直後から術後2日程は炎症性反応として鼻水、鼻づまりが逆にひどくなります。
鼻血が混じることがありますので、強く鼻をかまないようにして下さい。
術後1、2週間はレーザー照射した鼻粘膜表面にゼリー状の分泌物や「かさぶた」が付着して鼻づまりをより悪化させます。

 この「かさぶた」は、皮膚を擦りむいたときに出る分泌物や「かさぶた」と同じような、傷が治るときに出来るものです。
時間と共に自然に剥がれてゆきます。
レーザー処置後の数日の鼻づまりはやむを得ないものです。
術後の通院処置は通常必要ありませんが、経過中にひどい鼻づまりや痛み、まれに炎症性反応のための発熱などの不快な症状が出ることがあります。
そのような場合は感染を起こしていることも考え、内服や軟膏を塗ったりする治療を行います。
レーザー手術とは直接関係のない副鼻腔などで感染が起きている場合などもありますから、けっして我慢をせずに受診して治療をうけて下さい。

 生理学的に鼻は片方の鼻粘膜毎に交互に腫れをくり返すリズム(nasal cycle)があります。
それまで片方ずつの鼻づまり位であった方が、一度に両側のレーザー治療を受けると術後数日間、両側の鼻づまりになり睡眠時にかなり苦しい思いをすることがあります。

術後の経過

 一回のレーザー治療では十分に治療効果が得られない場合もあります。
この場合症状に応じて追加のレーザー治療をする場合があります。

 やがて鼻の粘膜は徐々に再生してきますのでレーザー治療による鼻づまりの効果がずーっと続くわけではありません。
何回か施行することもありますが、頑固な鼻閉には他の手術方法を検討するとよいかもしれません。

費用そのほか

 手術は保険適応されます。
手術1回につき3割負担で約11,000円ほどです(再診の場合)。
このほか検査などを行えば若干変動しますし、調剤薬局にてお支払いする薬代が別途必要です。
レーザー治療そのものはアレルギー性鼻炎ばかりでなく、肥厚性鼻炎など鼻の粘膜の腫張による鼻閉、軽度ではあるが持続する鼻出血で粘膜のただれが原因のものなどにも有効です。

<花粉症の方へ>
 スギ花粉症などの花粉症の方にも有効です。
スギ花粉症の予防の一環としてレーザー治療を考える場合には、手術の時期に注意が必要です。
手術を受けて鼻の中が落ち着かないうちに花粉が飛び始めるとかえって症状が悪化することも考えられます。
できれば遅くとも花粉飛散開始の1ヶ月前にはレーザー治療を受けた方が良いです。
年明け1月中に受けられれば良いです。


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